過熱する不動産投資、その落とし穴

こんにちは。株式会社プレミアバンクの山村です。新しい週になりました。元気にまいりましょう。汗ばむ季節です。熱中症に気をつけてくださいませ。

【5月23日(月) マーケットニュース】

個人による国内外の不動産への投資が拡大しています。海外の不動産で運用する投資信託への資金流入は今年1~4月に9千億円を超え、同期間では過去最高となりました。

日本の10年物国債利回りはマイナス圏に沈み、円高や新興国景気の減速などで株式相場の不透明感も強いです。少しでも有利な運用先を探す個人投資家の関心は、不動産投資信託(REIT)など不動産に向かいやすくなっています。

マイナス金利導入を受け、国内REITにも1月下旬から資金流入が加速しました。ただ相場が急上昇し、分配金をREIT価格で割った利回りが低下しました。足元では、高い利回りを保つ海外REITに個人マネーが向かっています。利回りは国内の年3.3%に対し、世界平均は4.6%に達しています。

ドイチェ・アセット・マネジメントの調べでは、購入から解約を引いた純流入額が1~4月に9017億円で、昨年の同期間より27%多くなりました。5月も資金流入が続いており、年間で2兆円を超える可能性があります。
 
米国REITの平均配当利回りは直近で4%強あり、先進国債券の利回りや株式の配当利回りを大きく上回っています。『少しでも高い利回りで安定的なリターンが欲しい』という個人投資家には魅力的に映る水準です。

昨年来の度重なる世界的な市場の動揺で、株式や新興国通貨などに投資する毎月分配型投信では、分配金の引き下げが相次ぎましたが、海外REIT型は新規に流入する資金などを原資に、高い分配金の支払いを継続中です。分配金利回り(過去1年の分配金合計額を直近の基準価格で割った数値)が20%を超えるファンドもざらで、投資家の関心が集中しています。

【海外REITの価格変動率は株式並みに不安定】
分配金目当ての投資は危うさをはらんでいます。ひとつは海外REITの価格変動率の大きさです。値動きのブレ幅の大きさを計る統計数値(標準偏差)を見ると、米国REITは米国株と同程度の水準で、米ハイイールド債より高いのです。

REITは定期的に入る不動産の賃料収入が配当原資となるため、値動きも安定していると思いがちです。実はその価格は株式並みに変動します。多くは為替相場の変動の影響も受けます。利回りの相対的な高さが魅力の海外REITは、市場金利が上昇すると価格は下落することが多いのです。米連邦準備理事会(FRB)が想定外の利上げに踏み切った場合など、相場は思わぬ波乱に見舞われる懸念があります。分配金に目を奪われている個人が、どれほど海外REITのリスクの大きさを自覚しているでしょうか。

【基準価格はゼロになる】
海外REITファンドのもう一つの懸念材料は、各ファンドが今後も高い分配金を払い続けられるかという点です。一見すると、多くのファンドは心配がなさそうにみえます。例えば、米国REITで運用しているある人気ファンドは、直近の運用報告書によると分配可能原資(1万口当たり)が4550円で、会計上は5年以上これまでと同じ分配金を毎月払い続けられます。

問題なのはその中身です。米REIT相場の不振で期間中の運用益は4円にすぎず、残りは純資産の一部が分配金の原資になっています。基準価格はすでに3000円台で、仮にこのまま運用収益が上がらず、それでも純資産を取り崩して今と同じ分配金を支払い続けると、基準価格は4年ちょっとでゼロになってしまう計算です。

高分配の海外REIT型投信の実情は、大半が上記の人気ファンドと似たり寄ったりです。純資産の食いつぶしによる分配金の支払いで基準価格は下げ続けており、過去1年のリターン(基準価格の騰落に投資家が手にした分配金を加味した収益率)は軒並みマイナスになっています。

投資家からすれば、基準価格の下げと引き換えに、高い分配金を得ているにすぎません。分配金利回りが2割前後と高いのも、分母となる基準価格が下げ続けた結果です。果たして運用会社は基準価格が2000円台、1000円台に下落しても高い分配金を出し続けるのでしょうか。海外REIT相場の急騰でもない限り、いずれ分配金は減額される可能性があります。

【ブラジル投信の二の舞いか】
ブラジルの債券や通貨で運用する投信は一時期、高額の分配金で人気を集めましたが、ここ数年はレアルの急落などで運用成績が悪化。多くのファンドが分配金を減らし、資金の流出が加速。それがさらにレアルの下落をもたらすという悪循環に陥りました。

結果的に、日本の個人マネーが流動性の低い新興国の市場をかく乱した形になったのです。海外REITファンドについても、分配金の引き下げにより個人マネーが逃げ出すきっかけになりかねません。

米国REITの時価総額は9300億ドルで、米国の主要500社(S&P500)の株式時価総額合計の20分の1程度です。市場規模はさほど大きくないだけに、いったん資金流出が加速すると、それが米REIT市場を揺るがす恐れがあります。

JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは「今、日本の個人投資家の資産構成は海外REITに偏りすぎている。もっと他の資産に分散した方がいい」とアドバイスしています。投資する資産の集中を避けて、できるだけ背負うリスクを抑えるのが資産運用の原則です。

海外REIT型投信の保有者は、分配金の引き下げが現実になる前に、きちんと資産分散ができているかを点検しておいた方がいいでしょう。


●日経平均株価 16,481.46 -254.89 (23日 11:00)
●NYダウ 17,500.94 +65.54(20日 終値)
●米ドル/円 110.14 ユーロ/円 123.59 (23日 11:00)


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